『ちいさなちいさな王様』 by アクセル・ハッケ
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読んだ/観た日:2020/05/13 - 2020/05/16
★小説/映画/マンガ/ドラマ/アニメ総合:3.7
ストーリー:3.5
エンディング:3.3
登場人物/演技:3.5
絵/文章/映像/音楽:4.0(絵が好き)
世界観/独創性:3.5
おしゃれさ/エンタメ性:3.0
深さ/哲学性:3.5
他の人におすすめ:3.5
あらすじ/概要
この世の中のことは全て本当のことなのか?僕の人差し指サイズの小さな王様。王様の世界では大きく生まれて成長するにつれ小さくなり、しまいには見えなくなってしまうという。長きにわたって愛されてきた30万部突破のドイツのベストセラー小説。「いま、大人が読むべき絵本」と柳田邦男氏推薦。
目次
大きくなると小さくなる
眠っているときに起きている
存在しないものが存在する
命の終わりは永遠のはじまり
忘れていても覚えている
鑑賞中メモ
本棚にあったのでなんの気なしに読んで見ることにした
「人生というのは、ある日起き上がって、それですべてがはじまるのだ。」
「大きくなるっていうのは、すばらしいことなのだろうか?」「さあ?わからないよ。いままで、ほかに可能性があるなんて知らなかったから」
「おまえたちは、はじめにすべての可能性を与えられているのに、毎日、それが少しずつ奪われて縮んでいくのだ。…こう考えると、大きくなるというより、小さくなっていく、といったほうがいいのではないか?…そんなふうに小さくなるのだったら、おれたちのところとはちがって、あまり、すてきじゃなさそうだがな」→どういう結論にもってくんだろ
「まあ、とにかく、そっちが本当の人生なのだ。夜、眠るときこそおまえの生活がはじまり、朝、目覚めたときにそれがすこしのあいだ、中断される。」
「だって。きみは眠っていないはずだものね」「そんなこと、わからないじゃないか」
仕事ってつまらないよね、みたいな単純な結論じゃないよね…?
「しょっちゅう竜と戦っているのに、そいつがいるなんてことも知らずにいるなんてさ」
「そのうちにおれは、宇宙の一部にしかすぎない存在ではなくなる。おれ自身が宇宙全体となって、あの無数に輝く星さえも、おれの中にあるのだ。」
夢/希望の象徴としての王様?
感想/考察
よかった!
なんていうか常識を揺さぶって来る感じがよかった
でもなんか仕事とか現実ってつまんないよね、みたいな感じはちょっと疑問だった。僕の読み違えかな…?なんか現実はつまらないものだけど、想像力を膨らませて楽しくしようよ!みたいな感じを感じた
まあいずれにしろあんまり論理的に読むべきではない気もするし、逆にもっと論理的な裏付けをするべきだという気もする
題名からも分かる通り、矛盾が矛盾のまま存在してよいのだ、という感じは好きだった。矛盾や課題が解決されなければならないという圧力は人工的なものであり、それに従って楽しいときは従えばいいが、楽しくないのであれば従わなくてもいいと思う
「そのうちにおれは、宇宙の一部にしかすぎない存在ではなくなる。おれ自身が宇宙全体となって、あの無数に輝く星さえも、おれの中にあるのだ。」ってのは仏教的な何かを感じた
絵がなんとも言えずかわいい。日常のなかに自然に違和感なく描くのがうまく、そのために余計に違和感を感じる。その違和感が気持ちいい